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AI関連技術に関する特許審査事例について(NL001)
AI関連技術に関する特許審査事例について(NL001)
林・土井国際特許事務所
特許庁が2019年1月30日に公表したAI関連技術に関する特許審査事例は、AI関連技術と関連が少なかった出願人に審査の運用を分かりやすく示すことなどを目的として、請求項に記載されたニューラルネットワーク等の学習モデルを有する発明が、実施可能要件(当業者が発明を実施できる程度に明確且つ十分に記載したものであること)に関する事例と、進歩性に関する事例等を示しています。実施可能要件は、AI関連技術発明はどの程度明細書に記載すべきかに、進歩性は先行技術に対しどの程度相違すべきかに関するものです。
この資料では、以下の事例をピックアップして簡潔に説明致します。
- 実施可能要件に関する事例
事例47(事業計画支援装置)、事例49(体重推定装置)、事例50(被験物質のアレルギー発症率の予測方法) - 進歩性に関する事例
事例33(癌レベル算出方法)、事例34(水力発電量推定システム)、事例36(認知症レベル推定装置)
詳細は、以下のURLから公表された資料を御覧ください。
https://www.jpo.go.jp/system/laws/rule/guideline/patent/ai_jirei.html
1.実施可能要件に関する事例 事例47(事業計画支援装置)
(1)概略
請求項1
教師データに含まれる複数種類のデータの間の具体的な相関関係等が明細書等に記載されていないが、出願時の技術常識を鑑みるとそれらの間に相関関係等が存在することが推認できるものであり、実施可能要件を満たす例。
(2)請求項と発明の詳細な説明
【請求項1】
特定の商品の在庫量を記憶する手段と、前記特定の商品のウェブ上での広告活動データ及び言及データを受け付ける手段と、
過去に販売された類似商品に関するウェブ上での広告活動データ及び言及データと、前記類似商品の売上数とを教師データとして機械学習された予測モデルを用いて、前記特定の商品の広告活動データ及び言及データから予測される今後の前記特定の商品の売上数をシミュレーションして出力する手段と、
前記記憶された在庫量及び前記出力された売上数に基づいて、前記特定の商品の今後の生産量を含む生産計画を策定する手段と、
前記出力された売上数と、前記策定した生産計画を出力する手段と、を備える事業計画支援装置。
【発明の詳細な説明】
広告活動データの例としては、商品についてウエブ上でのバナー広告やリスティング広告の数、言及データの例としては、SNSでの「いいね」等の評価を用いる。前記予測モデルは、ニューラルネットワークなど公知の機械学習アルゴリズムを利用して、過去に販売された類似商品に関する広告活動データ及び言及データと、該類似商品の実績売上数の関係を教師データとして学習させる教師あり機械学習により生成する。
(3)解説
請求項1の発明は、「過去に販売された類似商品に関するウェブ上での広告活動データ及び言及データと、前記類似商品の売上数とを教師データとして機械学習された予測モデルを用いて、前記特定の商品の広告活動データ及び言及データから予測される今後の前記特定の商品の売上数をシミュレーション」することが特徴である。
発明の詳細な説明には、教師データの広告活動データ及び言及データと、商品の売上数との間の具体的な相関関係等が記載されていないが、出願時の技術常識を鑑みるとそれらの間に相関関係等が存在することが推認できるものであり、実施可能要件を満たすとされています。
2.実施可能要件に関する事例 事例49(体重推定システム)
(1)概略
請求項1:実施可能要件違反
教師データの複数のデータの間に相関関係が存在することが明細書等に裏付けられておらず、出願時の技術常識を鑑みても相関関係を推認できない。
請求項2:実施可能要件を満たす
相関関係が明細書等に記載された説明や統計情報に裏付けられている。
(2)請求項と発明の詳細な説明
【請求項1】
人物の顔の形状を表現する特徴量と身長及び体重の実測値を教師データとして用い、人物の顔の形状を表現する特徴量及び身長から、当該人物の体重を推定する推定モデルを機械学習により生成するモデル生成手段と、
人物の顔画像と身長の入力を受け付ける受付手段と、
前記受付手段が受け付けた前記人物の顔画像を解析して前記人物の顔の形状を表現する特徴量を取得する特徴量取得手段と、
前記モデル生成手段により生成された推定モデルを用いて、前記特徴量取得手段が取得した前記人物の顔の形状を表現する特徴量と前記受付手段が受け付けた身長から体重の推定値を出力する処理手段と、を備える体重推定システム。
【請求項2】
前記顔の形状を表現する特徴量は、フェイスライン角度であることを特徴とする、請求項1に記載の体重推定システム。
【発明の詳細な説明】
頬のラインと顎のラインが形作る角度、フェイスライン角度の余弦と、その人物のBMI(体重/(身長の二乗))との間に、統計的に有意な相関関係があることを、発明者らは発見した。
(3)解説
請求項1の発明は、「人物の顔の形状を表現する特徴量と身長及び体重の実測値を教師データとして用い、人物の顔の形状を表現する特徴量及び身長から、当該人物の体重を推定する推定モデルを機械学習により生成するモデル生成手段」が特徴です。
但し、発明の詳細な説明には、フェイスライン角度とBMIとの間に統計的に優位な相関関係があることを発明者らが発見したことの記載しかなく、フェイスライン角度以外の顔の形状の特徴量とBMIと体重との相関関係があることを推認できるとはいえないので、相関関係が明細書等に記載された説明や統計情報に裏付けられてなく、実施可能要件を満たさないとされています。
請求項2の発明は、「前記顔の形状を表現する特徴量は、フェイスライン角度である」ことが限定されています。
そして、発明の詳細な説明には、フェイスライン角度とBMIとの間に統計的に優位な相関関係があることを発明者らが発見したことの記載があるので、相関関係が明細書等に記載された説明や統計情報に裏付けられており、実施可能要件を満たすとされています。
3.実施可能要件に関する事例 事例50(被験物質のアレルギー発症率の予測方法)
(1)概略
請求項1:実施可能要件違反
教師データの複数のデータの間に相関関係が存在することが明細書等に裏付けられておらず、出願時の技術常識を鑑みても相関関係を推認できない。
請求項2:実施可能要件を満たす
相関関係の存在が、人工知能モデルの性能評価結果で裏付けられている。
(2)請求項と発明の詳細な説明
【請求項1】
ヒトにおけるアレルギー発症率が既知である複数の物質を個別に培養液に添加したヒトX細胞の形状変化を示すデータ群と、前記既存物質ごとのヒトにおける既知のアレルギー発症率スコアリングデータとを学習データとして人工知能モデルに入力し、人工知能モデルに学習させる工程と、
被験物質を培養液に添加したヒトX細胞において測定されたヒトX細胞の形状変化を示すデータ群を取得する工程と、
学習済みの前記人工知能モデルに対して、被験物質を培養液に添加したヒトX細胞において測定されたヒトX細胞の形状変化を示す前記データ群を入力する工程と、
学習済みの前記人工知能モデルにヒトにおけるアレルギー発症率スコアリングデータを算出させる工程とを含む、ヒトにおける被験物質のアレルギー発症率の予測方法。
【請求項2】
ヒトX細胞の形状変化を示すデータ群が、ヒトX細胞の楕円形度、凹凸度、及び扁平率の形状変化の組合せであり、アレルギーが接触性皮膚炎である、請求項1に記載の予測方法。
【発明の詳細な説明】
(1)接触性皮膚炎発症率が既知の物質を別々にヒトX細胞の培養液に添加しヒトX細胞の楕円形度、凹凸度、及び扁平率に係る添加前後の形状変化を示すデータ群を取得し、3種の前記形状変化データと、これらの物質の接触性皮膚炎発症率スコアリングデータとを学習データとして汎用の人工知能モデルに入力して学習させたこと、
(2)人工知能モデルの学習に用いなかった、接触性皮膚炎発症率が既知の物質を別々にヒトX細胞の培養液に添加しヒトX細胞の楕円形度、凹凸度、及び扁平率に係る添加前後の形状変化を示すデータ群を取得し、前記学習済みの人工知能モデルに入力して、人工知能モデルの予測する接触性皮膚炎発症率スコアリングデータを求めたところ、予測スコアと実際のスコアの差が○%以下の物質が○%以上を占めたことを確認した実験結果、
が記載されている。
(3)解説
請求項1の発明は、「ヒトにおけるアレルギー発症率が既知である複数の物質を個別に培養液に添加したヒトX細胞の形状変化を示すデータ群と、前記既存物質ごとのヒトにおける既知のアレルギー発症率スコアリングデータとを学習データとして人工知能モデルに入力し、人工知能モデルに学習させる工程」が特徴です。
但し、発明の詳細な説明には、アレルギー発症率の予測ができた学習データの具体例として、ヒトX細胞の楕円形度、凹凸度、及び扁平率の3種の組合せ、接触性皮膚炎発症率スコアリングデータを使用したことが記載されているのみであり、請求項1の「ヒトX細胞の形状変化を示すデータ群と、前記既存物質ごとのヒトにおける既知のアレルギー発症率スコアリングデータ」の相関関係があることを推認できるとはいえず、技術常識を鑑みても相関関係の存在を推認できず、人工知能モデルの性能評価結果で裏付けられてもいないので、実施可能要件を満たさないとされています。
一方、請求項2の発明は、「ヒトX細胞の形状変化を示すデータ群が、ヒトX細胞の楕円形度、凹凸度、及び扁平率の形状変化の組合せであり、アレルギーが接触性皮膚炎」であり、両者の間に相関関係があることが人工知能モデルの性能評価で裏付けられているので、実施可能要件を満たすとされています。
4.進歩性に関する事例 事例33(癌レベル算出装置)
(1)概略
請求項1
人間が行っている業務の人工知能を用いた単純なシステム化であるので、進歩性がない例。
(2)請求項と引用発明
【請求項1】
被験者から採取した血液を用いて、当該被験者が癌である可能性を示すレベルを算出する癌レベル算出装置であって、
前記被験者の血液を分析して得られるAマーカーの測定値及びBマーカーの測定値が入力されると、前記被験者が癌である可能性を示すレベルを算出する癌レベル算出部を備え、
前記癌レベル算出部は、Aマーカーの測定値とBマーカーの測定値が入力された際に、推定される癌レベルを算出するように、教師データを用いた機械学習処理が施された学習済みニューラルネットワークを有する、癌レベル算出装置。
【引用発明1】
被験者から採取した血液を用いて、医師により、当該被験者が癌である可能性を示すレベルを算出する癌レベル算出方法であって、
前記被験者の血液を分析して得られたAマーカー及びBマーカーの測定結果を用いて、前記被験者が癌である可能性を示すレベルを算出する癌レベル算出段階を備える、癌レベル算出方法。
【周知技術】
機械学習の技術分野において、複数の者から収集した生体データ等の入力データと、その者の病気の可能性を示す出力データからなる教師データを用いてニューラルネットワークに機械学習を施し、学習済みニューラルネットワークを用いて、被験者の生体データ等の入力データに基づいて病気の可能性を示す出力データの算出処理を行うこと。
(3)解説
請求項1の発明は、医療の分野において医師が行っている推定方法を、コンピュータ等を用いて単にシステム化することは、当業者の通常の創作能力の発揮にすぎないとの理由で、進歩性が否定されています。
5.進歩性に関する事例 事例34(水力発電量推定システム)
(1)概略
請求項1:入力データから出力データを推定する推定手法の単純な変更のため、進歩性が否定される例。
請求項2:学習に用いる教師データの追加に、顕著な効果が認められるため、進歩性が肯定される例。
(2)請求項と引用発明
【請求項1】
情報処理装置によりニューラルネットワークを実現するダムの水力発電量推定システムであって、入力層と出力層とを備え、
前記入力層の入力データを基準時刻より過去の時刻から当該基準時刻までの所定期間の上流域の降水量、上流河川の流量及びダムへの流入量とし、前記出力層の出力データを前記基準時刻より未来の水力発電量とするニューラルネットワークと、
前記入力データ及び前記出力データの実績値を教師データとして前ニューラルネットワークを学習させる機械学習部と、
前記機械学習部にて学習させたニューラルネットワークに現在時刻を基準時刻として前記入力データを入力し、現在時刻が基準時刻である出力データに基づいて未来の水力発電量の推定値を求める推定部と、を有する水力発電量推定システム。
【請求項2】
請求項1に係る水力発電量推定システムであって、前記入力層の入力データに、さらに、前記基準時刻より過去の時刻から当該基準時刻までの所定期間の上流域の気温を含むこと、を特徴とする水力発電量推定システム。
【引用発明1】
情報処理装置により重回帰分析を行うダムの水力発電量推定システムであって、
説明変数を基準時刻より過去の時刻から当該基準時刻までの所定期間の上流域の降水量、上流河川の流量及びダムへの流入量とし、目的変数を前記基準時刻より未来の水力発電量とする回帰式モデルと、
前記説明変数及び前記目的変数の実績値を用いて前記回帰式モデルの偏回帰係数を求める分析部と、
前記分析部にて求められた偏回帰係数を設定した回帰式モデルに現在時刻を基準時刻として前記説明変数にデータを入力し、現在時刻が基準時刻である前記目的変数の出力データに基づいて未来の水力発電量の推定値を求める推定部と、を有する水力発電量推定システム。
【周知技術】
機械学習の技術分野において、過去の時系列の入力データと将来の一の出力データからなる教師データを用いてニューラルネットワークを学習させ、当該学習させたニューラルネットワークを用いて過去の時系列の入力に対する将来の一の出力の推定処理を行うこと。
(3)解説
請求項1の発明は、「前記入力層の入力データを基準時刻より過去の時刻から当該基準時刻までの所定期間の上流域の降水量、上流河川の流量及びダムへの流入量とし、前記出力層の出力データを前記基準時刻より未来の水力発電量とするニューラルネットワーク」が特徴です。
一方、引用発明1は、「説明変数を基準時刻より過去の時刻から当該基準時刻までの所定期間の上流域の降水量、上流河川の流量及びダムへの流入量とし、目的変数を前記基準時刻より未来の水力発電量とする回帰式モデル」です。
したがって、引用発明1に周知技術を適用し、引用発明の回帰式モデルに代えて学習済みニューラルネットワークを利用して、水力発電量を推定することは、進歩性がないとされています。
請求項2の発明は、「前記入力層の入力データに、さらに、前記基準時刻より過去の時刻から当該基準時刻までの所定期間の上流域の気温を含む」ことにより、春シーズンにおいて「雪解け水」による流入増加に対応した高精度の水力発電量を推定することが可能という顕著な効果を有するものです。
一方、引用発明1には、請求項2の「上流域の気温」を入力データに含むことは記載されていません。
したがって、請求項2の発明は、進歩性があるとされています。
(注) 請求項1の「ニューラルネットワーク」は、学習データに基づいて学習することで説明変数から目的変数を推定するモデルが生成されるものであるのに対して、引用発明1の「回帰式モデル」は、説明変数及び目的変数の実績値を用いて回帰式モデルの偏回帰係数が算出されるものです。しかし、ニューラルネットワークが周知技術であるので、引用発明1の回帰式モデルに変えて、周知技術のニューラルネットワークを適用して請求項1の発明をすることは容易とされています。それに対して、請求項2の発明は、説明変数の組合せが引用発明1に記載がないので、進歩性ありとされています。
6.進歩性に関する事例 事例36(認知症レベル推定装置)
(1)概略
請求項1:学習に用いる教師データに対する前処理により、進歩性が肯定される例。
(2)請求項と引用発明
【請求項1】
回答者と質問者の会話に係る音声情報を取得する音声情報取得手段と、
前記音声情報の音声分析を行って、前記質問者の発話区間と、前記回答者の発話区間とを特定する音声分析手段と、
前記質問者の発話区間及び前記回答者の発話区間の音声情報を音声認識によりそれぞれテキスト化して文字列を出力する音声認識手段と、
前記質問者の発話区間の音声認識結果から、質問者の質問種別を特定する質問内容特定手段と、
学習済みのニューラルネットワークに対して、前記質問者の質問種別と、該質問種別に対応する前記回答者の発話区間の文字列とを関連付けて入力し、前記回答者の認知症レベルを計算する認知症レベル計算手段と、を備え、
前記ニューラルネットワークは、前記回答者の発話区間の文字列が対応する前記質問者の質問種別に関連付けて入力された際に、推定認知症レベルを出力するように、教師データを用いた機械学習処理が施された、認知症レベル推定装置。
【引用発明1】
回答者と質問者の会話に係る音声情報を取得する音声情報取得手段と、
前記音声情報を音声認識によりテキスト化して文字列を出力する音声認識手段と、
学習済みのニューラルネットワークに対して、前記音声認識手段によりテキスト化された文字列を入力し、前記回答者の認知症レベルを計算する認知症レベル計算手段と、を備え、
前記ニューラルネットワークは、前記文字列が入力された際に、推定認知症レベルを出力するように、教師データを用いた機械学習処理が施された、認知症レベル推定装置。
(3)解説
請求項1の発明は、「前記質問者の発話区間の音声認識結果から、質問者の質問種別を特定する質問内容特定手段と、学習済みのニューラルネットワークに対して、前記質問者の質問種別と、該質問種別に対応する前記回答者の発話区間の文字列とを関連付けて入力し、前記回答者の認知症レベルを計算する認知症レベル計算手段」を備えることが特徴です。
一方、引用発明1は、「前記ニューラルネットワークは、前記文字列が入力された際に、推定認知症レベルを出力するように、教師データを用いた機械学習処理が施された」ものであり、請求項1の質問者の質問種別を特定し、当該質問種別に対応する回答者の回答内容とを関連付けて入力し、回答者の認知レベルを推定するという具体的な手法を開示するものではなく、
請求項1に係る発明では、質問者の質問種別を特定し、当該質問種別の質問に対応する回答者の回答(文字列)を関連付けて入力することによって、ニューラルネットワークは、教師データから熟練した専門医の知見を効果的に学習することができるので、精度の高い認知症レベルの推定を実現することができるという、顕著な効果が得られるので、進歩性があるとされています。
7.AI関連技術に関する特許審査事例について(まとめ)
記載要件に関する事例では実施可能要件を満たす以下の類型が示されています。
(1)出願時の技術常識によれば、教師データに含まれる複数種類のデータの間に相関関係等が存在することが推認できる場合は、実施可能要件を満たし、明細書に相関関係が存在することを証明する記載は不要。(事例47)
(2)前記の相関関係が、明細書に記載された説明や統計情報に裏付けられている場合は、実施可能要件を満たす。(事例49の請求項2)
(3)前記の相関関係が、実際に作成した人工知能モデルの性能評価により裏付けられている場合は、実施可能要件を満たす。(事例50の請求項2)
但し、上記(1)の場合、進歩性が認められるか否かが問題になります。
進歩性に関する事例では進歩性なしの類型とありの類型が示されています。
(1)人間が行っている業務を人工知能に置き換えてシステム化した場合、進歩性は否定される。(事例33)
(2)教師データの説明変数が引用発明と異なる組合せで顕著な効果がある場合、進歩性は肯定される。(事例34の請求項2)
(3)教師データに対する新規な前処理により進歩性が肯定される。(事例36)
以上
作成 土井健二